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​キャベツ
ブロッコリー

キャベツ
ブロッコリー
の基礎知識

キャベツ

科:アブラナ科¹

原産:ヨーロッパ⁴

​旬:冬¹

​ブロッコリー

科:アブラナ科²

原産:地中海沿岸²

​旬:秋~冬²

参考文献

¹やまむファーム. 「キャベツの栽培方法・育て方のコツ|やまむファーム」. 『やまむファーム』. https://ymmfarm.com/cultivation/veg/cabbage . 参照日2021年04月13日.

²やまむファーム. 「ブロッコリーの栽培方法・育て方のコツ|やまむファーム」. 『やまむファーム』. https://ymmfarm.com/cultivation/veg/broccoli . 参照日2021年04月13日.

³北陸農政局生産部園芸特産課施設園芸支援係. 「今月の園芸特産作物:10月 ブロッコリー」. 『北陸農政局』. https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201810.html . 参照日2021年04月13日.

⁴農林水産省. 「キャベツの歴史(れきし)と輸入量(ゆにゅうりょう)についておしえてください。」. 『農林水産省』. https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0307/03.html . 参照日2021年04月13日.

成長記録

キャベツとブロッコリーはどちらも同じアブラナ科で見た目は違うけれども結構近縁の作物らしいです。キャベツもブロッコリーも苗から植えて育てました。どちらもすくすくと成長していき、特にキャベツは食べきれないほどに密に結球して甘く育ちました。ブロッコリーも店に並んだものよりかは一回り大きいものをとることができました。

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​まずはキャベツの苗を植えました。キャベツの苗にはスーパーで見るような丸いキャベツの面影は全くなく、葉の触感以外はキャベツとは思えないような状態です。小さいから一体どこがいつものキャベツになるのかの見当もつきません。苗は、少し盛り上がった畝に植えて、植える際には害虫対策のために植える穴に農薬を加えます。大体40cmくらいの間隔をあけて6つのキャベツを植えます。その横にはロマネスコやカリフラワーの苗も植えます。今の状態だとそれぞれの見分けがつきません。

上から見るとこのような感じになります。寒冷紗で害虫に食べられないようにします。アブラナ科の作物はよく虫に食べられる傾向があるので、寒冷紗はしっかりとかぶせて隙間ができないように土をかぶせて、虫が出入りできないようにします。これをするには寒冷紗の周りの土を掘って、そこに寒冷紗を埋めるように土をかぶせることでしっかりと固定されます。しかしいくら頑張ってかぶせても多少の虫は中に入ってしまうのが現実です。

まだまだ小さい苗はこれから太陽の光を浴びてぐんぐん大きくなることでしょう。

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数週間経つとこのようにキャベツの葉が丸くなり横に広がるようになります。葉はいかにもキャベツの葉のような色と形と厚みと触感をするようになりました。ただしまだ丸くなるような部分は見られません。

​実は真ん中の部分が丸まるようですがその成長段階にはまだ達していないようです。キャベツは寒すぎてしまうととうだち(葉が丸くならず、花が咲く)ので注意が必要です。寒冷紗をかけるのは夜中の保温のためでもあります。

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なんと約3週間でキャベツたちはこんなに生長しました。たった3週間のうちに土の中に根をしっかりと張り、太陽の光をびかびかと浴びて横にぐんぐん葉を広げていきました。寒冷紗の隙間から日光を浴びているのにこの生長具合はすさまじい生命力だといえるでしょう。この3週間の間、私は特にキャベツたちの世話をしていないので自力で生長してくれます。

結構大きく育ってきたので葉のチェックをしました。変な虫はついていないか、変な模様はないか、きちんと育っているか、葉の色は正常かなどをざっと見ていきます。すると衝撃的なことに寒冷紗でこれほど厳重に防虫をしていたのに、いつのまにか虫が中に入ってキャベツを食い荒らしていたのです。このままではキャベツが虫に食べられてしまう、と思ったので、消毒と虫の処理を行いました。虫は箸でつかんで追い出します。消毒液(液体農薬)は用意されているものを噴霧器でキャベツ全体に噴霧します。これはマスクをつけて風上に立つことを意識したほうが安全です。

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これはシンクイムシによる被害です。名前の通りキャベツの芯を食べる害悪な虫です。芯を食べられてしまうとキャベツは成長しなくなり食べられないため早期に駆除する必要があります。また、シンクイムシはねばねばの粘液を出し、気持ち悪いので駆除します。真ん中にいるので取り出しにくかったです。他のキャベツもシンクイムシの被害にあって結構大きなダメージを受けていたためこのままキャベツが育つかは微妙でした。農薬を散布するとコロンと死んでしまいます。

このように青虫が葉の裏側あたりにいてキャベツを食べていました。幸い外葉を食べていたました。これはおそらく若いヨトウムシの幼虫でしょう。放っておくとキャベツが穴だらけになってしまうので駆除します。

下の土の方を見るとなにやらカビのような菌糸が土の中にあります。有害か無害かはわかりませんが有害な場合のリスクを避けたいので駆除します。カビが生えてしまう環境ということはこの環境が結構悪いのではないかと考えました。

数週間後やっと球らしいものができ始めました。やっぱりキャベツなんだと実感した習慣でした。シンクイムシのせいで丸まることができないと、懸念された株までもが葉を丸めていたのでうれしかったです。このままどんどん大きくなっていくでしょう。

横から見るとこのようになります​。背が低くて横に広いキャベツと、右側の葉が細くて上にのびているロマネスコの違いが今となってはよくわかります。全く別の植物のように見えますが実は同じ植物の変種だと聞いたことがあります。

拡大するとこのようになります。真ん中に横にではなく内側に向かって丸まっている部分があるのが確認できます。多少穴の開いてしまっている部分がありますが、これはすぐに他の葉でカバーできるようになっています。

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葉をよく見るとオレンジ色の細い卵のようなものが3つキャベツの葉についていました。これもまた害虫だと面倒なので早め早めに駆除しておきます。農業をすると害虫の卵や姿が見えやすくなります。

そしてさらに時間は経ちキャベツも大きくなってきました。でも、まだまだミニキャベツのレベルです。

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ビッグに育ちました。もうキャベツの球は中から押し出すように膨らんでずっしりとしています。きれいな球体をしていて色も黄緑色が美しく早く味わいたくなる見た目をしています。葉脈がまた綺麗でいいですね。ここまで丁寧に育ててきた努力が報われるようです。

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キャベツは下の太い茎をナイフで切って、周りの外葉を削ぎ落して収穫していきます。収獲したらずっしりと重く、切り口から水分がぽたぽたと垂れていきました。キャベツがみずみずしい証拠です。2kgくらいはあったと思います。

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続いてブロッコリーの紹介です。ブロッコリーは大量に植えられた苗を定植してから栽培します。苗を選ぶときは元気そうなものを選び、根を傷つけないようにそおっと抜き出します。畝に穴を掘ってネキリムシ対策のための農薬を混ぜ込んだら植えて土をかぶせ、根が活着するまで慎重に育てます。害虫防除のために寒冷紗をかけたら完成です。

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寒冷紗の上に届くほどに苗が成長しました。茎も最初の苗で見たときとは比べ物にならないくらい太く成長しています。

​ある日、葉の茎の部分が虫に食われていたことが見つけました。これは先ほども紹介したように、シンクイムシの幼虫によるものです。箸などで捕殺して処分します。寒冷紗をかけていたのにどこから侵入したのでしょうか。苗の状態からもともと卵が植え付けられていたと考えています。

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中くらいの大きさになりました。もう害虫による食害は見られず、順調に育っています。葉は完全に丸まっていて、外葉で守っているようです。やっとキャベツらしさが現れてきました。

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量が多いのですぐ食べられないと放置していたらさらに表面がてかてかになってさらにおいしそうになりました。そろそろ収穫時です。可食部と外葉では葉の色や光沢が違うのが一目瞭然です。葉野菜の王様と呼びたくなる立派さをキャベツは持っています。

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キャベツを豪快に半分に切り分けると中には葉が密に詰まっていていいキャベツに仕上がっていました。キャベツは普通のキャベツよりも甘みが強く、生で食べるのが最もおいしいです。シャキシャキとしていて、噛むとナチュラルな甘みが出てくるのでソースをかける必要がありません。自分で作る野菜は買ってくる野菜よりも確実においしいと思います。

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こちらは定植の様子です。先に早生のブロッコリーの苗を植えています。そちらの方は2週間ほどでぐんぐんと成長しました。それに比べて今植えている晩生の苗は小さくてまだ弱弱しいのがわかります。慎重にブロッコリーを植えていきます​。

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ブロッコリーの株の間にはなんとオンブバッタらしきバッタがいました。バッタといえば草原にいるものだと思っていましたが何と畑にもいたとは驚きです。農場は都会の中でも虫が集まる場所なので不思議ではないですね。豊かな自然環境を守る役割も都市農園・市民農園は果たしています。

その後数週間後にブロッコリーを確認すると葉の間に小さなブロッコリーができているのを見つけました!店でこの蕾の部分しか見たことのなかった私はこれが結構異様な光景に思えました。ブロッコリーが畑でどうなっているのかなんて考えたことありませんでした。見慣れているものに対する新しい発見もすることができて面白いです。

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ブロッコリーが成長するのを待って収穫しました!茎はとっても太くて包丁でないと切れませんでした。農家さんは一体どのようにしてブロッコリーを収獲するのでしょう?

数か月かけて一食分しか収穫できないのは少し悲しかったです。世界中の人を養うための食事を確保するのがどれほど難しいことなのかがよくわかりました。それなのにフードロスが残る現代の社会は食べ物の大切さに対する認識がないからなのでしょうか?

ブロッコリーの茎はとても太くて、10円玉と比べるとその太さがよくわかります。10円玉2個分くらいなので、ブロッコリーは直径約27mmくらいの大きさだと思います。外側の厚い皮があるのがわかります。これは市販の者よりも大きいため本当はもう少し早めに収穫すべきだったのかもしれません。収穫したブロッコリーはそのまま放っておくことにしました。横から小さなブロッコリーの蕾ができ始めていたからです。

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他のブロッコリーは巨大な大きさにまで成長しました。直径20cmくらいの大きな蕾は通常スーパーマーケットで見るようなものよりは一回り大きいです。自分の好みに合わせてサイズを調節して作物を育てられるのは都市農業体験ならではのことです。

もう少し放置したらきっと花が咲くのでしょう。アブラナ科なので黄色い菜の花が咲きます。蕾からパラパラと花が咲いていくのは普通見ないような光景なので一度は見てみたいなあ。

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家に戻って外周を測る何と28cmもありました。大きなブロッコリーを収獲することができました。よく農家さんたちがより大きな作物を収獲することで競い合うイベントがありますが、それに挑戦したくなる気持ちが少し理解できました。自分が手間暇かけて育てた巨大な作物は誇るべき自分の子のようなものです。

見ると一番最初に収穫したブロッコリーの横から小さなブロッコリーが少し大きく成長していました。一番大きかったブロッコリーがなくなったから栄養をもらっているのでしょう。これも収穫して食べました。味は普通のブロッコリーとあまり変わりませんでした​。

​期限が迫ってきていたので残っていたブロッコリーを一気に収穫しました。ブロッコリーは小さいのでたくさんとってもすぐに収穫することができます。ブロッコリーを収獲したら農園の自分の区画はすっかりガランとしてしまいました。何もなくなった農園というのは、生徒が卒業してしまった教室のようにどこか寂しいところがあります。

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